できないことに挑戦する=カッコイイ!

「うちの子は、できないなと思うと、すぐ心がくじけてしまうんです」「他のスポーツの体験もしてみたんですが、できないから、いやだって…」
とお話くださる親御さんはとても多いです。 

でも実際、スポーツって、
得意な子はどんどんできるし
苦手な子はなかなか、差は広がるばかりで

できないことがつらい
できないことが恥ずかしい
って気持ち、普通の感覚かと思います。

算数のテストなら0点でもバレませんが
スポーツはたいてい開放的な空間で行われますから、みんなの前で、一人だけできなかったりすると
いたたまれなくて…

特に、チーム戦は、自分が役に立てているのか?それとも足を引っ張っているのか?自分の立ち位置がはっきり分かれたりして
なかなか、運動神経に自信が無い組には残酷だなーと思います。

できない自分を嫌いになるくらいなら
すぐやめて、もうやらない。
それだって自分の心を守る正しい手段ですよね。

前回の投稿で、空手の技やチャレンジすることは100種類以上あると書きました。
え!?そんなにあるの!?難しそう…と思われたかもしれません。 

だけど空手の良いところは
最初から完璧にできる必要が全く無いことです。

そして、できていなくても不完全でも
誰にも迷惑をかけません。

空手というのは、毎回の稽古の中では、勝ち負けの白黒がついたりしない武道です。

そして道場には幼児からシニアまで幅広い年齢層がいて、組手の選手もいれば型の選手もいる。ひとりひとりの目指すもの、達成したいことも違います。

稽古のとき闘う相手は「自分」。
自分はどうなりたいか?
今日の稽古で、自分はなりたい自分に近づいてるか?
自分のやりたい技ができたのか?
自分と向き合う世界にいます。

だから、
空手の稽古のときに
隣の子は自分よりもできてるかな?なんて、よそ見をしている子は一人もいません👀

修得したい技はたくさんあって、忙しいです!手本、見本となる師範の説明を聞き、カッコイイ動きをマネするのに一生懸命です。

そして前に立っている指導員含め
道場にいるすべての道場生は、

もっと早く!もっと強く!もっとかっこよく!

より技の精度をあげたいと、高みを目指して、その日の稽古に打ち込んでいます🥋

やればやるほど、知れば知るほど
理想をかかげればきりがありません。
いつかこんなふうに動けるようになりたい!という、自分が憧れる動きが体現できる日を夢見て、道場にいるみんなで稽古を続けます。

だから、空手家は、白帯から黒帯まで、道場にいる全員が未完成とも言えます。
未完成な自分、不完全な自分が、すこしでも理想に近づけるようがんばるのが空手という武道だからです。

そんなふうに空手の稽古を続けていると、
「できない」イコール「恥ずかしいこと、だめなこと」という思い込みが、だんだんなくなっていきます。

自分は完璧にできてる!全ての技がパーフェクトで非の打ち所がない!と思ってる人は、道場に一人もいないからです。

白帯の技ができるようになったら、すぐまた次の帯の課題がやってきます。
新しい帯の課題となる型にとりかかり、毎回1から覚えることがたくさんあって、また「できない」からのスタートです。

■だけど、ここが空手のステキなところだなあと思うんですが

新しい型や動き、新しい「できない」を嫌がる道場生はいません。だって、それは審査に合格し、帯が上がったことの証拠だからです。

新しい動きを教わる道場生は、みんなとっても誇らしそうです。先輩がやっていた型や技、憧れますもんね。ようやく自分もチャレンジできるわけですから、嬉しくてたまりません。

だから、空手では、
「できないことに挑戦する」ことこそが、帯が上がった証であり、実力があがったことの証明でもあるんですよね!

「できないことに挑戦する」ということは、道場生にとって、すっごくかっこいい!ことなんです。

【できないことをやる】
イコール【つらい、傷付く】ではなく
【できないことをやる】
イコール
【成長や努力の証明】
【新たな挑戦の始まり】

空手の稽古を続けていると、自然とそういう感覚が身についていきます。
これって、人生を生き抜くうえでも、大事な価値観だなあと思います。